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田んぼ

「ざわわ♪ざわわ♪・・・」
沖縄でざわわ♪といえば、サトウキビ畑ですが、渡嘉敷島では稲穂の風になびく音。
こうべを垂れて、黄金色をした田、山に囲まれ、吹き抜けるさわやかな風。渡嘉敷島の田んぼは「日本ふるさと百景」にも選ばれた美しい風景です。
収穫をするコンバインの音や稲わらの土くさい香りは本土の田園風景と同じですが、光線の強さや風が運ぶ香り、田んぼの周りの木々は、亜熱帯の渡嘉敷島らしい、一味違った感覚を味わわせてくれます。
沖縄では山が少なく、水も不足しがち。ですが、ここ渡嘉敷島には手付かずの山があり、湧き水も豊富。
その湧き水を利用して、昔から田んぼでの稲作が盛んに行われてきました。

島を横断する村道沿いの田んぼの風景は、私たち島人の自慢できる心休まる風景です。

神秘体感、田んぼの朝。

田んぼ

朝5時前、まだ薄暗い夏の田んぼ。
朝露がおりて、稲がぬれている。

「チュンチュン、チュッチュ」と鳥が鳴き始めた。こおろぎの鳴き声も聞こえてくる。
周りはまだ誰もいない。もちろん車も通らない。土くさい香りと朝のすがすがしい空気に囲まれたこの静かな時間、何ものにも替えがたい。

少しずつ東の空が明るくなる。
田んぼに水を引きこむ「チョロチョロ」という水の音。普段、喧騒のなかで気づかなかった「音」の美しさにはっとする。真っ暗闇の時間から、薄明かりのこぼれるひととき。

やがてすっかり明るくなって朝を迎える。太陽が顔をのぞかせ、ギラギラの光線を浴びせるようになるまでのほんの小一時間。
真夏でもさわやかな田んぼの朝である。

渡嘉敷の田んぼには、気づかずにいた「音」や「光」の神秘を感じさせる力がある。  


季節の移ろいは、田んぼで感じる

田んぼ

渡嘉敷島では年に2度、稲作が行われています。

2月初旬に田植えをして、6月下旬に刈り取る1期作目。7月下旬に田植えをして、10月下旬に収穫する2期作目。
3月には弱々しかった早苗がぐんぐん伸びる4月、青々として力強い5月、こうべを垂れ始める6月と、田んぼが美しいシーズンが続きます。
2期作目は真夏に植付け、生育も暑い時期なので、成長が早く、3ヶ月で収穫できます。何といっても田んぼに降り注ぐ太陽光線が半端じゃありません。

台風をやりすごし、2期作目の収穫が終わると、田は耕され、しばしの休みの時を迎えます。水を張った田んぼのまわりでは、シロサギなどのサギ類をはじめ、サシバと呼ばれる鷹の仲間も観察されます。

田んぼは、島の中でも、最も季節感を感じることのできる場所といえるでしょう。


あなたも、田んぼの風景!?

田んぼ

クバガサ(クバの葉で作ったぼうし)をかぶった島のオジイが田んぼに這いつくばって草をとっています。
しわの刻まれた顔、ゴツゴツの手、真剣なまなざし。生ぬるい泥の中に両足をつっこみ、腰をかがめて田草をとるその姿は大変そう。
でも、遠目で見ると、心温まる風景です。
やっている本人も、まわりで想像するほど大変な思いをして作業をしているわけではないかもしれません。
「孫においしい米を食べさせてあげたい」と思っているかもしれないですし、あるいは「昼飯何にしようかな?」かもしれません。
もしかしたら、「道端でこっちを見ているあのネーネー(おねえさん)、かわいいなあ」、かもしれません。

そう、田んぼの中のオジイはもしかしたら、あなたが声をかけてくれるのを待っているかもしれません。
声をかけて、オジイの話を聞き、田んぼの中に入ってみたら、いつもとは違う風景、違う感覚が味わえるかも!?

渡嘉敷の田んぼの風景の一部になってみるのもいい経験かもしれません。


案内人この記事の案内人は 【 畑歩人 久野 】 久野