沖縄県の県木で、琉球列島特産の松である。
海岸付近に生育し寒い冬に耐え、常緑なので長寿の象徴とされています。
神様がその木に下りてくるのを待つと言うことから「マツ」といわれているという説と、葉が二つに分かれている事から股(また)が「まつ」になったという説があるそうです。
琉球松と沖縄
琉球松は、1728年に蔡温(さいおん:尚敬王の時代に三司官を勤めていた)によって羽地大川の治水工事とともに防風林や防砂林としての植林政策が推進され、各地で松並木を造成し広められたそうです。
昭和42年に沖縄県の木に指定されましたが、今では、松並木や名木もほとんど姿を消して残っているのは、今帰仁村の仲原馬場、伊平屋村の念願平松、久米島の五枝の松位だそうです。
渡嘉敷島は、83%が森林で見渡す限りの山並みが続いていますがよく見ると自生している樹木の3分の1位は、琉球松だといってもいいくらいです。
数年前までは、庭木や盆栽として島外にも出荷していたほどで、海岸近くに自生している物は、海からの強い風に痛めつけられて枝振りが見事に成長しているため愛好家に好まれていたようです。
美しい枝振りの琉球松
日本中に松はありますが土地によって種類は異なるようで、北海道のえぞ松、岩手の南部赤松、群馬や島根の黒松に、岡山あたりの赤松、沖縄の琉球松とさまざまです。
黒松は、オスの松と言われ松葉が太く先がとがっているのに対して、赤松は、メスの松と言われ松葉が細く葉先はそれほどとがっていないそうです。
琉球松は、成長が早くどのような土地でも生育するので、造林や公園の植栽、海岸の防潮林として広く使われています。
枝作りをして盆栽に仕立てたものは、家の門や庭に植えられ美しい景観を引き立ててくれます。渡嘉敷のいたるところで枝振りのよい松を目にすることができます。
阿波連小学校や渡嘉敷小中学校の校門横の築山にも島の琉球松が植えられています。
阿波連地区の前岳林道にあるふれあい施設周辺では、潮風にきたえられたどっしりとした風格のただよう自生した松を間近で観賞できます。
琉球松は、木目も美しいためテーブルなどの家具やお盆や食器に加工されている物もあります。
昔、渡嘉敷島で作られていた慶良間の鰹節は、燻製にするのに琉球松を使っていたため香りがとてもよく今でも名前が知られているほど有名です。
松くい虫
数十年前から、各地で松くい虫の被害が確認されており、沖縄県でも1973年に最初の被害が認められてから年々増加しています。
県内の被害の内9割が北部で発生しており、直径1メートルもある松が倒れている姿などは見るも無残で残念な想いです。
松くい虫とは、マツノザイセンチュウという線虫で、キクイムシやゾウムシ、マツノマダラカミキリムシなどによって運ばれて松に寄生し木を枯らしていきます。
2004年には、約8万2千本の琉球松が被害にあっており、県はその年5億2千万円の予算をかけて約半分を処理しましたが、全部を処理するには膨大な予算が必要となるため容易ではありません。
被害の激しい地域でも枯れずに残った松の研究も進められています。
幸いな事に渡嘉敷島の山々には、緑葉を茂らせた琉球松が今も変わらず根をはっています。
島でこの被害が出ないよう祈るのみです。

この記事の案内人は 【 島むんガイド 容子 】
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