渡嘉敷村渡嘉敷区で旧暦6月25日に行われる大綱引き。渡嘉敷島の最も大きな行事の一つ。
この日は、朝早くから綱を作り始め、夜遅くまで祝いの酒盛が続く、「渡嘉敷区丸一日綱引きデー」。
沖縄県内では水稲の作付面積の減少とともに、海外から輸入したわらで綱を作ることが多くなった。
しかし、渡嘉敷島では、今でも渡嘉敷でとれた稲わらで綱を作っている。
歴史ある由緒正しい伝統行事ではあるが、観光客でも参加できるのが渡嘉敷島らしいところ。
稲わらを束ねてわら束を作り、あみあげて綱にする。綱を引くだけでなく、
作り上げるのもこの行事の目玉のひとつ。既製品の綱を引くだけの綱引きでは味わえない体験ができる。
丸一日、作業を続けるので、オジイ、オバアをはじめ、渡嘉敷島の住民と、ゆっくり話をできるのも魅力。
手取り足取り教えてもらって綱を作り、手ぬぐいを頭に巻いて、綱を引き、オリオンビールで乾杯!
1年にたった1日だけ、観光客のあなたにもできる「プチ島人体験」。一歩踏み込んで、島人になってみるのも、おもしろい。
つなひき
| ■開催時期 |
旧暦6月25日(カシチー<豊穣感謝>の日) |
| ■開催場所 |
字渡嘉敷部落内 |
| ■主催 |
渡嘉敷区 |
| ■参加者 |
渡嘉敷区住民、村民、観光客 |
渡嘉敷区綱引きの1日
「ソーレッ!ソーレッ!」真夏の渡嘉敷島に、島人の掛け声が響き渡る。
渡嘉敷島の綱引き。この日ばかりは、仕事をすることが許されない。役場の職員はもちろん、民間業者でも、働いていると白い目で見られる。
旧暦6月25日、朝早くから渡嘉敷区民総出で綱つくり。
あらかじめ干しておいた稲わらを、各家庭8束持ち寄り、東西分かれて綱を打ち始める。
女性はおもにわらたば作り、わらを数本結わえて、綱のもとを作る。オバアはさすがに上手。子供たちがキャーキャー騒ぐ中、
巧みに手伝わせながら、手は休めない。世間話をしながら藁束が次々と出来上がる。
出来上がった藁束を3本より合わせて1本の綱に仕上げる。これは男の仕事。
木のうえから吊り下げた藁束を、3人の男が1本ずつ持ち、時計回りに”より”をかけるように引き締めていく。
汗をしたたらせながら、大きな掛け声とともに、半日作業を続ける。技もさることながら、
作業を半日続ける体力は、島の男ならではのもの。
出来上がった綱が村道に置かれ、次第に長くなっていく。
夕方、銅鑼(どら)の音が区内に響き渡る。それを合図に、東西の綱が村役場前に運ばれてくる。
先頭には勇壮な衣装をまとった旗頭(はたがしら・旗もち)。綱引きの場所に綱が運ばれると、
東西各陣営の旗頭が旗を躍らせる。「サーサーッ、サーサーッ、」という掛け声、とどろく銅鑼(どら)の音とともに、
双方入り混じって乱舞、気勢を上げる。
いよいよ綱を引く時間。東の雄綱を西の雌綱に組み込み、貫棒を入れると勝負開始。
80歳以上のオジイ、オバアから小さな子供たちまで、掛け声にあわせて綱を引き合う。勝負は1回限り。
一日がかりで作り上げた綱の勝負は、たいてい5分以内では決着する。勝敗が決まるとすぐに、
各陣営の旗持ちが旗頭を躍らせ、飛び入りのカチャーシー(踊り)とともに乱舞する。
笑い声、口笛の音、酒を酌み交わしながら、綱引きの日の島の夜はエンドレスに続く。
初任者研修で綱引きを体験した小学校の先生の感想
「宿泊研修では、たくさんの直接体験を通してものの見方や考え方、
人と人とのつながりの大切さを体得することができました。
研修のメインである地域交流(綱作り、綱引き)では、渡嘉敷島の方々と会話を交わすことで、
離島の現状、お年寄りの考え方や重いを知ることができました。
今と昔では、生活価値が違うこと、これまで生活してきた先人たちの知恵や苦労を改めて知るよい機会となりました。
綱作りでは、青年が中心となり声を合わせて力強く編んでいる姿は、
初めて目にするすばらしい光景でした。私の住んでいる地域で見ることのできない光景でした。
又、夕方から行われた綱引きは、研修の中で最も印象に残る体験となりました。
完成させた綱を引き合い、地域の方と私たち初任者が一体となった瞬間で、
言葉では表すことのできない感動をおぼえ、感激しました。
沖縄の誇るすばらしい伝統行事だと思います。」(C・Kさま、小学校教諭)
あなたが引っ張る、渡嘉敷つなひき
東が勝てば「無病息災」、西が勝てば「五穀豊穣」。
渡嘉敷島の綱引きは、もともとは一期作の稲刈りが終わり、収穫を感謝し、喜びをわかちあう意味で行われてきた行事である。
参加していて実感するのは、世代を超えて、地域の人間や観光客が、ひとつの目標に向かって心をひとつにする一体感、
それこそがこの行事の最大の魅力だ。
綱引きを通してわかちあってきた地域の人間と外から来た人間の心のふれあいが、綱引き行事のもうひとつの目的かもしれない。
 この記事の案内人は 【 畑歩人 久野 】
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