やわらかい真っ白な毛に包まれ、「めえーー」とかわいく鳴きながら、おっぱいにとびつく赤ちゃんヤギの姿。
見なれているはずの島の人間でも癒される風景。
毎年、春先と秋口、渡嘉敷島のあちこちから子ヤギの甲高い鳴き声が聞こえてくる。
ヤギは生まれた直後からふらふらっと自分で立ち上がり、歩き始める。
思わず近づいて赤ちゃんヤギを抱こうとすると、親ヤギが”ブッ、ブッ”と警戒の声を発して威嚇する。草むらで自力で出産する親ヤギ、すぐに歩き始める赤ちゃんヤギ、土の上に残された胎盤だけが、直前にあった誕生の瞬間を物語っている。
生まれたばかりの赤ちゃんヤギの姿は癒しそのものだ。
もしかしたら、観光で渡嘉敷島を訪れたあなたも、散歩の途中でヤギの出産に立ち会えるかもしれない。
それほどヤギは、島の暮らしに密接につながっている。
渡嘉敷島のヤギとのふれあい
| ■ヤギと出会える場所 |
渡嘉敷島のあちこち |
| ■えさ |
もっぱら草、アカバナーが大好物。 |
| ■通販 |
あとでこっそりURLを教えます。 |
| ■価格 |
1頭3万円〜5万円、つかまえればタダ。ただしハブに要注意。 |
| ■賞味期限 |
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昔ながらの家畜・ヤギ
ヤギは草だけを食べて大きくなる、なんともありがたい家畜。渡嘉敷島の人間にとって最も身近な動物だ。
昔から島ではヤギの乳を利用することはほとんどなく、もっぱら食用として飼われている。
しかし、庭や畑の草を食べてくれる草刈機としての役割、また、野菜作りに欠かせない肥料(ヤギのうんこ)の供給源としての役割も大きい。
沖縄県内のどこの家庭でも飼われてきたヤギだが、渡嘉敷島のヤギは「ケラマのヒージャー」(注)と呼ばれ、県下でも有名。山に自生する薬草を豊富に食べていることで、医食同源、「くすいむん」(健康に良い薬のようなもの)としての価値が非常に高いのだ。山が多い渡嘉敷島ならでは、ホンモノ志向の根強いファンが今でもたくさんいる。
沖縄本島において、ヤギが規模の大きな畜舎内で専用飼料を与えて飼育されるようになって、どれくらい経つだろう。農業専業化の波は、沖縄本島のヤギ文化を少しばかり変えてしまった。しかし、ここ渡嘉敷島には昔ながらの人間とヤギとの関係が残っている。畑のかたすみでつながれているヤギ、どこを見ているかわからない2つの目に、あなたはじっと見つめられるかもしれない。
(注:ケラマのヒージャー=慶良間諸島渡嘉敷島のヤギ、と言う意味の方言)
命の大切さを伝える、ヤギ
小学校で飼育されている動物といえば、何だろう?
ニワトリ、うさぎ、金魚、鯉?渡嘉敷島阿波連小学校(あはれんしょうがっこう)では、なんと、ヤギが飼育されている。児童が先生から教わって、草を刈ってきて与えている。
小学校の運動場につながれているヤギは、ビーチ沿いを散歩しながら眺めることができる。
毎年生まれる子ヤギは、渡嘉敷島の児童や大人たちだけでなく、観光客の方々にも大人気。
ヤギとのふれあいを通して、子供たちは命の大切さを学んでいる。
渡嘉敷島のヤギ文化
さて、せっかくなので、渡嘉敷島のヤギ文化に少し触れておこう。
島ではヤギは肉として食べる食用の家畜。薬草を食べて育つヤギは「くすいむん」(健康に良い薬のようなもの)として珍重されている。
沖縄で肉料理と言えば何といっても豚であるが、沖縄の高級肉料理といった場合には、ヤギが欠かせない。
新築祝い、船の建造祝い、選挙の当選祝い、工事の完了祝い、誕生祝い、その他各種栄養会で必ず出てくるのがヤギである。皿に山盛りになったヤギの刺身、大なべで煮込んだヤギ汁、お祝いの時にはジンギスカンのような、野獣臭い、独特の香りが周囲に漂う。苦手な人にとっては迷惑この上ないニオイだが、好きな人にとっては、足が自然に向いてしまう魅惑の香り。
普段なじみのない香りが漂ってきたら、ちょっと足をむけてみてほしい。観光客だからといって遠慮する必要はない。もしかしたら、島の人間でもめったに食べることのできない、ヤギ料理にありつけるかもしれない。
 この記事の案内人は 【 畑歩人(はるあちゃー) 久野 】
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